第一印象は「おしゃれな保険屋さん」。

宏栄の大枝さんとは歳が近く、出身県が同じ。最初にお会いした時から親近感を持ちました。12年前くらいでしょうか。ネクタイを綺麗にしていらっしゃるし「ずいぶんお洒落な保険屋さんだな」というのが第一印象です。お仕事柄、ちょっと堅いかなと思うこともありますが、保険屋さんが「いい加減な人」に見えたらだめですからね（笑）。大枝さんは最初から、ファッションのことをよく知っていましたよ。

アパレルの流れや、うちがどういう商品を扱っているのかをわかっていらっしゃるので、保険のことも相談しやすいですね。在庫がこのくらいで、こういうリスクがあるとか、普通はなかなかそこまで理解してもらえないのですが。商品の企画や構想を練る上でもいいアイディアをくださるので助かっています。会社全体のことを考えてコンサルティングしていただいています。顧問の経理士も交えてお話してもらったり。

意図的でない心遣いに触発されて。

少し話がそれますが、うちの大学生の息子が、中学生のころサッカーをやっていたんです。ある時ケガをして最後の試合に出られないかもしれなくなり、その話を大枝さんにしたんですね。そうしたら大枝さんは、すぐに有名な病院のリストを会社にFAXしてくださった。ちょっとした会話で親身になって心配してくれたのが、僕としてはとても印象的でした。その時いちばん気になっていたことだったので。

結局、息子は最後の試合に出ることができたので、いい思い出として残っていますね。同時に、人って意外とこういうことを覚えているんだなと勉強になりました。自分が意図しないでやったことが、人の役に立ち、心に残る。僕自身、そういうことができているだろうかと得意先との関係を反省したんですよ。以来、人と接するときの意識が変わりました。

日本のビジネスマンをお洒落にしたい。

弊社はネクタイからスタートし、総合アパレルメーカーへと発展してきました。自社ブランドとOEMを手掛け、NY、ロンドン、パリ、ミラノに定期的に社員を派遣して現地の生の情報を企画に盛り込んでいます。大手にはない小回りの良さが売りですね。今後は海外展開も視野に入れています。日本のビジネスマンをお洒落にし、世界がお手本にするようなファッションを日本から提案したいという思いがありますので。

会社も私自身も、これから成長していく中で、保険もどんどん変わっていくと思います。大枝さんには新しい情報を常に教えていただき、引退後のことも含め、数年先を見据えたアドバイスをいただければ嬉しいな。私は狭いアパレル業界のつきあいしかないので情報が偏りがち。大枝さんは幅広い業界の方とおつきあいがあるので、いろいろ教えてもらうことで、私も次のステップを考えることができるんです。(談)
2013年8月、南青山・フランクリンミルズにて。

有限会社フランクリンミルズ

イタリアの小さなネクタイメーカーのMILL（製作工場）を訪れた櫻田社長が、職人の一貫した手仕事に感銘を受けたことがきっかけで1994年創業。ネクタイを含む総合アパレルメーカーとして、自社ブランドのほか数々のセレクトショップのOEMを手掛ける。職人気質を大切に、日本国内の優れたMILLでの生産にこだわっている。