日本の一体感に感銘を受けた。

2011年秋、日本に赴任して最初に感じたのは、規律正しさと調和です。街の美しさなど、あらゆる面が行き届いていること、すべての人やものが調和していることに強い印象を持ちました。たとえば1本の川がスムーズに流れるように、ものごとが淡々と静かに進んでいく。ばらばらに動いているはずのものが、まるで最初からひとつであったかのように。これまでいろいろな国へ行きましたが、このような一体感の強さは日本独自のものではないでしょうか。

イタリアのように多様性が際立つ国から来ると、こうしたインパクトは大きいですね。大枝さんには「日本にいるイタリア人にこそ連帯感の強さを感じる」と言われましたが、外国で暮らしているという特別な環境だからかも……。しかしその後、2国間には共通する部分が多いことにも気づきました。日伊関係が良好なので、仕事も充実していますよ。ありがたいことに、さまざまな場面で日本人がイタリア人に、好意的な印象を持ってくれていることを感じますし。

ビジネスを超えた関係がうれしい。

大枝さんとは赴任直後に、大使館の別の部署のスタッフからの紹介で知り合いました。第一印象はまじめで礼儀正しく、信頼がおける人。とても感じがよく、何度もお会いするうちに人柄のよさや人間性の豊かさがわかってきました。保険の契約でお世話になっているということだけでなく、仕事を離れた部分でもいい関係を築けていると思います。きっかけは仕事がらみでも、広い意味でおつきあいができるのは嬉しいことですね。

大枝さんはイタリア通ですし、武官室の山本に通訳してもらうこともありますが、同世代なので相通じる部分は多いですね。私はナポリの陸軍士官学校の出身ですが、そこの先輩が営むE＆G CAPPELLIのネクタイについての話なども、自然にわかり合える。アプローチはイタリア人っぽいんですよ。私はいつも愛情を感じることができますから（笑）。

ピンチのとき飛んできてくれたこと。

国防武官室が加入している保険についても、あらゆる状況がカバーされているので安心しています。海外駐在という特殊な事情の中でナーバスになる部分もあり、補償が網羅されていることは不可欠。そういう意味では本当に頼りになりますね。とくに宏栄さんは、スタッフのサポート体制が整っており、困った時にいつでも手を差しのべてくれる安心感は大きい。日頃から率直にアドバイスをしてくださるので信頼しており、満足度も高いです。

実は今年の春、クルマが接触事故を起こしてしまいました。幸いケガ人は出ませんでしたが、相手の方や警察への対応のため、まず宏栄さんに連絡したんです。適切な指示により、落ち着いて対応できたことには非常に感謝していますし、すぐに足を運んでクルマの具合なども見てくれた。スムーズに事後処理できたのは宏栄さんのおかげです。譲歩することなど、当を得たアドバイスを受けて円満な解決に至ることができました。

有意義だった日本での時間。

日本での勤務は、キャリアの面からも貴重な体験でしたが、それ以上に、人生において有意義なものとなりました。残すところ約10か月となり、任期が終わるのはとても残念です。日本での思い出はずっと心にとどめ、大切にしていきたいと思います。
私は、仕事でもプライベートでも、日本のあちらこちらへ出向きました。今では関東人と関西人では、キャラクターがどのように違うのかもわかるようになったんですよ（笑）。
まだまだ行っていない場所がたくさんあることが唯一、心残りですね。

イタリア大使館 国防武官室

在日大使館において軍事・防衛に関する情報収集や外交業務を担当。PACE（パーチェ:平和）という縁起のいい名前を持つドメニコ・パーチェ氏は、国防武官 陸軍准将として2011年9月より勤務。任期は3年。出身地は南イタリアのカンパニア州ナポリ県トッレ・デル・グレーコ。ナポリ湾とヴェスヴィオ山に囲まれた風光明媚な土地である。

http://www.ambtokyo.esteri.it/Ambasciata_Tokyo